こういうの面白いよね

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タミグラ直前企画!徹底攻略「タミチャレタイヤ(タミヤ チャレンジカップ接着済みラジアルタイヤ)」その1
企画としては面白いなと思いながら読んでみたけど、なんか図表が微妙におかしかったりして気になったことがあったんで再計算してみた。

方法

データセット
元記事のデータより

統計方法
重量とトレッド面とサイドウォールの硬度の平均値と標準偏差を求めた。
左右差はウィルコクソンのWilcoxonの順位符号検定で検定を行った。
トレッド面の硬度とタイヤ重量の相関はSpearmanの順位相関係数を求めた。

解析ソフトウェア
Stata/SE 12.1

結果

全体の結果
総数 重量平均 トレッド面硬度 サイドウォール硬度
16 31.0±0.5 (g) 64.8±1.2 63.7±2.7
Fig1 全体での重量の平均値
Fig1 全体での重量の平均値
Fig2 全体でのトレッド面の硬さの平均値
Fig2 全体でのトレッド面の硬さの平均値
Fig3 全体でのサイドウォールの硬さの平均値
Fig3 全体でのサイドウォールの硬さの平均値

重量の平均値は31.0gで最小値は30.1g、最大値は31.9gであった。
トレッド面の硬度の平均値は64.8で、最小値は 62.9、最大値は66.9であった。
サイドウォールの硬さの平均値は63.7で、最小値は59.8、最大値は68.3であった。

左右差
p value
重量平均 31.1±0.5 (g) 31.1±0.5 (g) 0.674
トレッド面硬度 65.0±1.4 64.5±1.0 0.528
サイドウォール硬度 64.6±2.5 62.9±2.8 0.128
Fig4 左右での重量の平均値の差
Fig4 左右での重量の平均値の差
Fig5 左右でのトレッド面の硬度の平均値の差
Fig5 左右でのトレッド面の硬度の平均値の差
Fig6 左右でのサイドウォールの硬度の平均値の差
Fig6 左右でのサイドウォールの硬度の平均値の差

左右の重量の平均値は31.1gであった。
トレッド面の硬度は左が65.0、右が64.5であった。
サイドウォールの硬度は左が64.6、右が62.9であった。
いずれの項目も左右で統計学的有意差は認められなかった。

硬さと重量の相関
Fig7 トレッド面の硬さと重量の相関
Fig7 トレッド面の硬さと重量の相関
Fig8 サイドウォールの硬さと重量の相関
Fig8 サイドウォールの硬さと重量の相関

トレッド面の硬さと重量の相関とサイドウォールの硬さと重量の相関をそれぞれ示す。
Spearmanの順位相関係数トレッド面と重量は0.38、イドウォールの硬さと重量は0.46といずれも統計学的に有意な相関は認められなかった。

考察

重量は全体的に31g前後であり、左右での差は認められなかった。また、硬度についてもトレッド面、サイドウォール部で左右での差は認められなかった。
タイヤの硬さと重量の相関については相関は弱く、統計的有意差も認められな方ことから、相関はないものと考えられる。あくまでも噂程度にすぎないと考えた方がよさそうである。
本調査の限界点としてサンプル数が少ないこと、ロット内でのバラツキの差については不明なこと、硬度については特に計測者の再現性が不明なことが挙げられる。

結論

組み立て完成済みで2000円のタイヤとしては十分な精度の差ではないかと思われる。
明らかに不良なタイヤでない限りは新品の時点でのタイヤでの差はほとんどないのではないかと考えられる。